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ブリューゲル「バベルの塔」展


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上野の東京都美術館で『ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝―ボスを超えて―』を開催中(7月2日まで)。

16世紀ネーデルラント(オランダ、ベルギー辺り)の画家ピーテル・ブリューゲルとヒエロニムス・ボスは学生の頃から好きで、画集も持っていて研究書の類を読んだ事もあります。

ヒエロニムス・ボスは聖書の寓話や様々な象徴を表した独特で奇怪な怪物や不気味な地獄の絵で有名で、次世代に当たるブリューゲルはボスの影響を受けた怪物の登場する作品や農民を主題にした絵と版画を多く残しています。

今回の展覧会はブリューゲルの絵画「バベルの塔」をメインに、ブリューゲルの版画、ボスの絵画2点、ボスの影響を受けた画家の作品、その他同時代のネーデルラントの絵画・版画・彫刻など約90点を展示。

宣伝文句のように「バベルの塔」がブリューゲルの最高傑作かどうかは疑問ですが、インパクトのある作品で魅力があり、また、ボスの絵も観れるので出かけてきました。

観に行った日は初夏のように暖かい好天で、東京都美術館のある上野公園はGW中もあり凄い人出です。
館内も行列が有る程ではないですが、大混雑しています。

入場して、聖人の彫刻から聖書を主題にした絵や肖像画を順に観て、ボスの絵画2点を展示してある階へ進みます。

放蕩者(ヒエロニムス・ボス作)1500年頃
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聖クリストフォロス(ヒエロニムス・ボス作)1500年頃
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ここまで観た他の作品とは明らかに異なる主題や構図で、ボスの独自性を強く感じました。
絵画のサイズが大きくないのもありますが、ボスの作品は様々な寓意がちりばめられているので、絵の部分を拡大した解説パネルが複数展示されています。
その寓意の謎解きも魅力の一つです。

死後もボスの評価と名声は高く、その影響を受けた作品が今回多数展示されています。
あくまで模倣作品なのでオリジナルのボス作品程の魅力は感じられませんが、面白いと思った作品もいくつかありました。

次は、ブリューゲルの版画作品のエリア。
ボスの影響を受けた多数の怪物が描かれたもの、寓意を絵にしたもの、農民を描いたものなど、その緻密な描写に驚き。ブリューゲルは版画作品も傑作が多いです。

そして、メインの絵画「バベルの塔」の展示エリア。

バベルの塔(ピーテル・ブリューゲル作)1568年

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サイズ的には思っていたより小さい作品(60×74.5cm)ですが、その魅力を多面的に理解できるようにいろいろな工夫がしてあります。
エリアのある階へ入って直ぐ、円弧状に膨らんだ壁全面に「バベルの塔」の一部分を大きく拡大したプリントが貼ってあり塔のスケール感を感じられます。

パネルでの、聖書の主題としてのバベルの塔の解説に続いて、バベルの塔を描いた絵画の歴史の解説があり、いかにブリューゲルの「バベルの塔」が革新的作品であったかを理解できます。

実物の「バベルの塔」は、混雑からなのか残念ながら立ち止まらず歩きながらの鑑賞でしたので、細かい部分は全く確認出来ず。
補うように、東京藝術大学が制作した「バベルの塔」を3D化して細部を見せた映像の上映や、原画を300%拡大して精緻に再現したプリントが展示してあり、そちらで充分楽しめました。

パノラマ的なスケール感は壮大で、建築的に正確で、工事の様子がリアルに描かれ、1400名もの人物が細かく描き込まれています。
まさに、ミクロな世界とマクロな構図が一体化しています。

実は、ブリューゲルの「バベルの塔」は他に1点1563年制作の作品があります。

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一般的にはこちらの「バベルの塔」の方が有名で、前景に人物が描かれた明るいバベルの塔で、個人的にもこちらの作品が好きでした。
今回展示された「バベルの塔」はこの作品に比べてよりスケール感が際立っていて、色調からか陰鬱な感じが魅力にもなっています。

今回の「バベルの塔」展は、展示以外の企画にも力が入っていて、
・大友克洋が下絵を描いたバベルの塔断面図
・画中の怪物「タラ夫」のキャラクター化
・レゴで作り上げたバベルの塔
・画家ヒグチユウコさんのブリューゲル作品をオーマージュした作品集の出版
などが行われました。

展示会グッズも食品から衣類・文具・食器など種類が多くてびっくり。

ブリューゲルの油彩画は「バベルの塔」1点のみの展示でしたが、ブリューゲルとボス、そして16世紀ネーデルラント絵画の魅力を改めて確認できました。


フナツ記


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映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」を観てきた。



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元々1995年公開の劇場版アニメ「ゴースト・イン・ザ・シェル/攻殻機動隊」や、その後制作されたテレビアニメシリーズのファンでした。

海外でも大友克洋の「AKIRA」等とともにジャパニメーションを代表する作品として人気があり、「マトリックス」を制作したウォシャウスキー姉妹(元は兄弟!)は、当初この作品の実写化を考えていたそうです。
日本アニメのハリウッド映画での実写化というと「北斗の拳」や「ドラゴンボール」が思い浮かびますが、評価は散々でしたね。
「ゴースト・イン・ザ・シェル」の実写化も、主役の草薙素子役を白人女性が演じるということを知った時、トンデモナイ作品になる不安がありました。

しかし、トレーラー映像が発表され、劇場版アニメをなぞったビルの屋上からダイブするシーンや、水辺での格闘シーン、テレビアニメ第一話の芸者ロボットのシーンなど原作へのオマージュが溢れていて面白そうではないか!
映画「ブレードランナー」の世界がさらに進化した様な、ビルを包み込む巨大サイズの人型ホログラフィ広告が林立し、サイボーグ化した奇怪な人物が溢れ、混沌とした香港とデータの海を可視化したような世界観も目新しくて凄い!
これは期待大です。

以下、ネタバレ注意!

見終わって、結果予想以上に満足でした。
良かった点:
・主人公のスカーレット・ヨハンソンが予想以上にハマリ役でカッコイイ
・独特の世界観を表現したビジュアルイメージが凄い
・原作アニメへのオマージュとなるシーンが多くうまく実写化されている
・劇場版アニメのストーリーをひとひねりしたストーリー展開で、ラストは賛否両論あると思いますが意外な展開で感心
・主人公の失われた記憶探しという劇場版アニメと異なった主題も分かりやすく面白い

気になった点:
・観る人全員が感じる事と思いますが、荒巻役のビートたけしの日本語演技は雑で最後まで違和感が消えなかった
・原作アニメへのオマージュが強すぎて、詰め込み過ぎで説明不足の点があった(公安9課の設定など)
・演出のせいか事前の訓練不足なのか、スカーレット・ヨハンソンのアクションに少しキレがないように感じた

SF映画としては傑作とは言いがたいかも知れませんが、難解で哲学的な原作アニメを原作ファンも一般観客も楽しめる娯楽映画としてよくまとめ上げた作品だったと思います。

一足先に封切られたアメリカでは期待はずれの興行成績だったようですが、ぜひ続編を期待したいですね。

フナツ記



草間彌生 わが永遠の魂



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草間彌生は、現在、日本で最も有名な現代美術作家と言えるのではないでしょうか。

テレビでは滅多に観ることは無いですが、
美術に興味がない方でも、真っ赤なボブカットと派手な水玉の服というスタイル、
代表作の水玉模様で描かれたカボチャの絵はどこかで見かけたことがあるのでは。
近年は、ルイ・ヴィトンやau携帯とのコラボ、24時間テレビのTシャツのデザインなども手がけています。

87歳と高齢ながら創作意欲旺盛で、昨年は文化勲章を受賞。
このところ美術マーケットでの人気が凄まじく、人気作品の価格は5年で10倍になるほど急上昇しています。

六本木の国立新美術館で「草間彌生 わが永遠の魂」展が開催中(〜5月22日)

まとまった草間彌生作品をみるのは、新宿河田町にあったフジテレビギャラリーでの個展以来。

開館して10周年の国立新美術館に行くのは初めてです。
黒川紀章設計の建物は巨大で、正面全面がガラス張りの波打った形状です。

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草間彌生といえばドットと網目のモチーフが有名ですが、美術館前の樹木の幹がドット模様で飾られていました。

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入って直ぐの広い部屋に、最新作の「わが永遠の魂」というシリーズの作品130点が壁面に飾られ、
フロアにはピカピカの工業製品のような彫刻が据えられています。
いきなりプリミティブな色彩の洪水。(この部屋は撮影可能)

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最新作を一通り観るのは後にして、
広い部屋をぐるりと回りこむように順路があるので、初期作品から順に観ていきます。

草間彌生は少女時代から精神疾患があり、幻覚や幻聴に悩まされてきました。
展示されている少女時代の作品から、すでに脅迫神経症的なドットと網目のモチーフが描かれています。

初期のクレー、ミロ、エルンストの影響を受けたような作品を経て、1957年からのニューヨーク時代の作品が始まります。
個人的には16年間のニューヨーク時代の活動に一番興味あり。

その後の原色を使った派手な作品と比べて、
ニューヨーク時代初期のドットと網目の絵画はモノトーンで、ミニマルで、静謐な感じで、繊細でとても魅かれました。

その後、コラージュ、ボディペインティング、パフォーマンス、映像など前衛の女王と言われた様々な活動の展示が続きます。
この時期のニューヨークの美術界は凄く面白いのですが、オノ・ヨーコも一時期住んで活動していましたね。

男性のシンボルのようなオブジェを全面に貼りつけたボートや家具、
天井壁面全体が鏡張りの真っ暗な部屋に沢山の照明を吊るし無限に続くように見える部屋、
体調を壊し日本に帰国してからの自作品を再解釈したような作品、
企業とコラボして市販された家具など多彩な活動を辿れます。

再び最初の広い部屋に戻って、正方形の「わが永遠の魂」シリーズ130点を一枚一枚じっくりと観ていきます。

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モチーフとスタイルは一貫していますが、一つとして同じ構図や色使いの絵が無いというのが凄い。

入館者がとても多く、会場を出た所のグッズ売り場も混雑していて、会計を済ませるのに30~40分かかる行列が出来ていました。

美術館ロビーには10畳程の部屋が設置され、入場者は入り口で原色の水玉シールを貰い部屋中に貼りつけていきます。

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屋外には巨大なカボチャの遊戯具のような作品が。

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原色のドットや網目が溢れ、全体的にはカラフルな遊園地といった印象の展覧会でしたが、衰えることの無い創作意欲とエネルギーに圧倒されました。


その後、複数の展示室を使って「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」をやっていたので、一通り巡りました。
沢山の作品を観ましたが、若い美大生の作品の傾向が何となくわかって面白かった。

ついでに、東京ミッドタウン周辺をぶらついて帰宅。


フナツ記




エリザベス ペイトン:Still life 静/生



原美術館は、北品川の、いくつかの大使館が所在している閑静な地域の一角にあります。
元は昭和13年に建てられた私邸で、当時のモダンな様式の建物がそのまま残っていて
主に、現代美術を中心に展示や紹介を行っています。

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現在、「エリザベス ペイトン:Still life 静/生」展が開催中(5月7日まで)。
この女性美術家の名前は知りませんでしたが、展覧会案内を見て興味をそそられ、久しぶりに原美術館へ行ってきました。

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エリザベス ペイトンの作品は、油彩、水彩、色鉛筆、パステルなどの技法で制作され、人物画が中心で小さめの作品が殆どです。
作品ごとに少しずつタッチを変えて、それぞれ色彩や描画が魅力ある具象絵画ではありますが、私には、それほど目新しさや一貫した強い個性は感じられませんでした。

一番の特徴はモチーフの選び方で、過去現在問わず、その時々に興味のある様々な人物を同じ距離感、扱いで描いています。
入り口近くから、私の知っている人物ではルートヴィヒ2世、バレーダンサーのディアギレフ、
ニルバーナのカート・コバーン(展覧会ポスターの絵)、シド・ヴィシャス、ジョージア・オキーフ、ホロビッツ、ルイ14世、ワーグナー、オペラの登場人物など。

他には、有名な絵や写真をなぞった作品(ドラクロワ、クールベの絵、パティスミスの写真)なども。

まさに興味の赴くままに、好きな人物や憧れの人物をナイーブに、ある意味節操無く描いていったという感じで、
小ぶりの作品サイズもあり、様々な人物のイラストレーション作品が並んでいるといった印象です。

現代美術シーンで「新しい具象」として評価が高いのは謎ですが、
対象に対して批評的な見方をしないで、確立したイメージを表層的に流用、組み合わせる姿勢は、
何故かシンディ・シャーマン等のシュミレーションアートに通じるものを感じました。

そんなエリザベス ペイトンの作品が好きか嫌いかというと、意外と好きです。

知りませんでしたが、2階の奥に奈良美智の作品のみを展示した部屋(My Drawing Room)がいつのまにか出来ていました。
いつものマンガのような小さい女の子の沢山のドローイングや版画、犬のオブジェ作品などなど。
現在、国際美術マーケットで大人気の奈良美智作品、総額いくらになるだろうかと思わず想像してしまった。

美術館のカフェで寛ぎ、中庭に点在する屋外彫刻を見てしばらく過ごしました。
久しぶりに来た原美術館は以前と変わらず雰囲気が良いですね。


フナツ記


『DAVID BOWIE is』デヴィッド・ボウイ大回顧展



私フナツが、デヴィッド・ボウイのレコードを聴き、その多才な活動に関心を持ち続けていたのは1972年の「 ジギー・スターダスト」から1977年の「ヒーローズ」くらいまででした。
1983年に「レッツ・ ダンス」が大ヒットしてメジャースターになり、同年の「シリアス・ムーンライトツアー」武道館公演は観ています。
その後の活動や、病気療養、そして最近の復活など多少の知識はありましたが、昨年1月の69歳での急死は驚きでした。

さて、『DAVID BOWIE is』という題名のデヴィッド・ボウイ大回顧展(4月9日まで)。

2013年にイギリスの博物館が企画・開催し、世界9都市を巡回してついに日本上陸。
直接ボウイは関わっていないようですが、プライベートなコレクションが多数出品されています。



会場は天王洲アイル駅近くの寺田倉庫G1ビル

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会場に入って直ぐヘッドフォンとレシーバーが渡されます。
この装置が素晴らしく、移動するごとに展示内容と同期した音楽や音声が流れ、より深い体験と理解が得られます。

展示品は膨大で、デビュー前の写真や資料、ステージ衣装、ステージ案のスケッチや模型、手描きの歌詞や楽譜、PVやインタビュー、ライブ映像、自作絵画 他にも細々した身近の品物まで300点あるそうです。

展示方法は立体的に工夫されて、展示品とシンクロした映像が多く流れ、プロダクション・マッピングまで使われていました。

多数の説明文のプレートがありましたが、情報量が余りに多く、照明が暗く小さいので読み取るのが少し困難でした。

楽曲「スペース・オディティ」と「スターマン」のエリアでは思わず口ずさんでしまった・・・(この2曲はほぼ空でも歌えます)

終わり近くのエリアで観た、四方の壁を使ったジギー・スターダスト時代のライブ映像は圧巻。

デヴィッド・ボウイは長年のキャリア中に演じるキャラクターやスタイルを次々と変え、
そして音楽家であるだけでなく、映画、舞台、思想、ファッション、文学など多才な面を持っているので、
観る人の関心を持った時期や資質により、感じとり方は大きく変わると思います。

「DAVID BOWIE is」に続く言葉も様々でしょうが、私なら「DAVID BOWIE is changes」でしょうか・・・。

時間が経つにつれて入場者が増えてきて大混雑。
結局、4時間くらい会場に居て濃密なボウイワールドを堪能しました。

とても面白く、刺激を受けた展覧会だったので、内容が充実している公式ガイドブック(7000円也)を購入しました。





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